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    【初心者用🔰】【画家紹介🧑‍🎨】ポール・セザンヌ――印象派を超えて、モダンアートの扉を開いた画家

    引用:ポール・セザンヌ - Wikipedia

    「なんとなく好き」――それは絵画を部屋に飾るときの、いちばん正直で大切な感覚かもしれません。

    今回は、そんな“なんとなく好き”の奥に、深い芸術の世界が広がる画家、ポール・セザンヌについて、魅力たっぷり、そしてわかりやすく親切にご紹介します。

    目次

    セザンヌってどんな画家?

    ポール・セザンヌ(1839–1906)は、フランス生まれの画家で、印象派のエッセンスを受け継ぎながらも更なる発展をし、20世紀のモダンアートの礎を築いた存在です。

    絵画界においては「近代絵画の父」といえばこの人と評されるほど、彼が残した功績は大きいのです。


    彼の絵は、一見するとちょっと無骨で素朴。

    でも見れば見るほど「なぜか目が離せない」「静かなエネルギーを感じる」――そんな不思議な魅力があります。

    《果物籠のある静物》(1888-1890)

    引用:ポール・セザンヌ – Wikipedia

    あのピカソやマティスといった20世紀の巨匠たちも、セザンヌに強く影響を受けたことを公言しています。

    セザンヌは「後期印象主義」と呼ばれることがありますが、それは誤り。

    正しくは、「印象主義後」。

    セザンヌは確かに印象派立ち上げのメンバーでしたが、他の印象派たちによる”おしゃれ”な表現ではなく、より普遍的な美しさを追い求めました。

    独り故郷の南仏へ戻り、美の探究の末、「対象の物体を丸や三角錐など”幾何学的”に単純化し、それを再構築する」という技法を確立しました。

    だから、ただただシンプルなようで、それでいて1つ1つの物体に存在感があるように見えるのですね。

    上で紹介した《果物籠のある静物》もよくみて見ると、ツボは中を覗くような上からの視点なのに対し、果物籠は真横から見たような視点で描かれていたりと、普通の見方ではありえない、チグハグな構図となっています。

    印象主義から始まった、可能な限り原色を使うことで鮮やかな色彩を持たせる方法と、対象を分解し再構成することで”しっかり”と描くという画法を確立したセザンヌ。

    それはまさに、印象主義から新時代である20世紀絵画へと繋げていく、確固たる”橋渡し”となりました。

    🔶 例えるなら…?

    ・モネが「光と瞬間」を描いた画家だとしたら、

    ・セザンヌは「形と構造」を追い求めた画家。

    つまり、セザンヌは「風景や物を、どう描くか」ではなく、「そもそも絵画とは何か」を問い続けた探求者なのです。

    クロード・モネ《印象・日の出》(1872)

    引用:印象・日の出 – Wikipedia

    セザンヌの代表作とオリジナリティ

    それでは、セザンヌの代表作をいくつか見ながら、彼の独自性に触れてみましょう。

    サント=ヴィクトワール山(Montagne Sainte-Victoire)シリーズ

    引用:ポール・セザンヌ – Wikipedia

    セザンヌの故郷エクス=アン=プロヴァンスの象徴であるこの山を、彼は何十回も描きました。

    季節や時間帯ごとに、光の変化を感じながら、立体感と構造に重点を置いた表現が特徴的です。

    本作にも幾何学的な箇所が見てとれ、セザンヌの美意識の追求がなされています。

    🖼️ この作品を部屋に飾ると、南仏の光と大地の静けさが流れ込み、まるで別荘にいるかのような心地よさを感じられます。

    リンゴとオレンジのある静物(Still Life with Apples and Oranges)

    引用:ポール・セザンヌ – Wikipedia

    セザンヌといえば、静物画は外せません。

    果物や花瓶、テーブルクロスが描かれたこのシリーズでは、対象の重みやバランス、奥行きのある構成が際立ちます。

    遠近法にとらわれず、モチーフを「感じたまま」に積み上げたような構図は、どこかキュビズムの原点を思わせます。

    🖼️ この絵を飾れば、食卓がまるでアートギャラリーに。暮らしの中に静かな美を取り入れる一枚です。

    ちなみに、リンゴはセザンヌが特に繰り返し描いていた対象です。


    《りんごのある静物画》はユニクロのUT(アート作品やポップカルチャー、アニメなどとのコラボ)シリーズでTシャツにもなっており、「着るアート」として気軽に楽しむことができます。

    私も気に入って購入しました。(実際に購入したもの👇)

    よろしければ、ユニクロのリンクも貼っておきますので、ご興味があれば調べてみてください👇

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    大水浴図(Les Grandes Baigneuses)

    引用:ポール・セザンヌ – Wikipedia

    人物画でもセザンヌの特長は健在です。

    裸体の女性たちが木々に囲まれて水浴びをする構図は、古典的なテーマながら、構造的な配置とリズム感に富んでいます。

    🖼️ 自然と調和する人間の姿に、癒しと力強さを感じる作品。気持ちよさそうにリフレッシュしている様は、ベッドルームなんかに良いかもしれません。


    セザンヌの魅力:飾る絵としての親しみやすさ

    セザンヌの絵の特徴は、以下の3つにまとめられます。

    1. [落ち着いた色調] 鮮やかすぎず、どんなインテリアにもなじみやすい色使い。
    2. [リズミカルな構図] 自然や静物の配置が安定していて、目に心地よい。
    3. [見るたびに発見がある] 「ただの山」や「ただのリンゴ」が、毎日違って見える。不思議な奥行き。

    だからこそ、セザンヌの絵は「飾るためのアート」としても非常に優秀。

    ナチュラルな空間にはもちろん、モダンな部屋やカフェ風のインテリアにもぴったりです。


    モネやルノワールとの違いは?

    印象派の画家モネやルノワールも人気ですが、セザンヌは少し違います。

    画家主な関心表現の特徴
    モネ光・色彩の一瞬の変化筆触が細かく幻想的
    ルノワール人物や日常のぬくもり柔らかく華やか
    セザンヌ構造・形の本質均整とリズム、静けさ

    オーギュスト・ルノワール《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》(1876)

    引用:ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会 – Wikipedia

    つまり、セザンヌの絵は「時間が止まったような静謐さ」が魅力。

    忙しい現代人の部屋にこそ、セザンヌの静かな眼差しが必要なのかもしれません。


    おわりに:セザンヌと暮らすという選択

    アートには、「これを飾ることで、どんな気持ちになれるか」が重要です。

    セザンヌの絵は、日々に「余白」と「整い」、そして「自分なりの視点」、「自分なりの解釈」への”寛容”をもたらしてくれる存在です。

    「絵のことはよくわからないけれど、なんだか好き」

    それでいいのです。

    セザンヌはそんな“感覚の芸術”を追い求めた人でもあります。

    あなたの部屋にも、ぜひ一枚、セザンヌを迎えてみませんか?

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