2025年– date –
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自分を重ね合わせた時に聞こえてくるものは何?――ムンク《叫び》の魅力と現代的意義を探る
あなたの部屋に、たった一枚で感情の深淵を映し出す絵があるとしたら、それはエドヴァルド・ムンク(1863−1944、ノルウェー)の《叫び》(1893)かもしれません。奇妙に歪んだ空、口を開けて頭部を両手で押さえる人物、波打つような線――《叫び》は一見すると不安をかき立てる絵に見えますが、実はその不安こそが、私たち現代人に深く共鳴する“魅力”でもあるのです。 この記事では、《叫び》がなぜこれほどまでに有名になったのか、そのオリジナリティは何か、そして現代に生きる私たちに何を問いかけ... -
2025年夏|ユニクロのUTで気軽に名画をファッションで楽しむ!実際に購入したアイテムも紹介!
昨日更新した記事【こちら】では、現代アートを代表する画家バスキアとユニクロのUTシリーズのコラボについて取り上げました。 UTシリーズとは、ユニクロがアートやポップカルチャー、アニメなどとコラボしたファッションアイテムのことです。 (上のタグに書かれている文章) MoMA Art Icons ニューヨーク近代美術館(MOMA)とユニクロのパートナーシップから誕生したプロジェクトです。 MOMA が収蔵する数あるアートの中からアイコニックな作品を選定し、毎日着こなせるアイテムへと落とし込んだ珠玉のコレクシ... -
ユニクロ×バスキア|現代アートとファッションが出会った、意外な名作Tシャツ
「ユニクロのTシャツのイラストなんて、ただ有名なキャラクターを採用しているだけ」と思っていませんか? 実は、あのジャン=ミシェル・バスキア(1960−88、アメリカ)と、日本が世界に代表するあの大企業ユニクロがコラボしていたことをご存じでしょうか? 世界的な現代アーティストと、日常に寄り添う日本のファストファッションブランド。この意外なタッグが実現した背景には、「アートをもっと身近に」というユニクロの哲学と、バスキアの作品が持つダイナミックながらも確かなメッセージ性がありまし... -
壮大な人間の夢と崩壊の象徴──ブリューゲル《バベルの塔》が問いかける普遍的な哲学的テーマにあなたが出す答えは何?
ピーテル・ブリューゲル(父)(1525? −1569、オランダ、ベルギー)が描いた《バベルの塔》は、宗教画や風景画の枠を超え、私たち現代人に深い問いを投げかける壮大な作品です。旧約聖書に登場する「バベルの塔」の物語を題材にしながらも、そこには単なる聖書の教訓を超えた、驚くほど人間的なドラマが込められています。 今回は、ブリューゲルの代表作である《バベルの塔》がいかほどまでに特別なのかを、他の作品との比較を交えながらご紹介します。さらに、思わず「部屋に飾りたくなるほどのお気に入... -
芸術の革命児、マネの《草上の昼食》とは?~絵画史のミスタースキャンダルによって放たれた衝撃の一作~
近代絵画を語るうえで避けて通れない存在、それがエドゥアール・マネ(1832〜1883年、フランス)の《草上の昼食(Le Déjeuner sur l’herbe)》(1863年)です。 緑豊かな自然の中、ピクニックを楽しむ男女たちの姿。しかしこの作品、19世紀当時の社会にとっては“スキャンダル”そのものでした。 今回は、この《草上の昼食》が美術史においてどのような意味を持つのか、他の画家や作品との比較、そして本作の持つ深い魅力を詳しく解説します。アートに興味のある方、インテリアへの採用を考えている方等... -
我々は何者か――ゴーギャンと絵画が問いかける人間の本質
「我々は何者か?」 この問いは、ただの哲学的な抽象ではありません。私たちが日々の生活の中で、ふと立ち止まったとき、静かに心の奥底から湧き上がるものです。そして、この問いを鮮烈な色彩と象徴で描き切った画家がいます。 それがポール・ゴーギャン――彼の代表作『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』(以下、『我々は何者か』)(1897年)です。 タヒチで描かれた“遺書”のような傑作 ゴーギャンは西洋文明に失望し、文明の影響がない南国タヒチへ渡ります。自然と共に生きる先住民... -
「ファム・ファタル」とは何か?それは古今東西、男たちを悩ませる女性の魅力のことである!
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回は「ファム・ファタル」という言葉について、絵画との関係性を交えながらお伝えしていきます。 流行りの音楽もそれほど聴かない私ですが、ふとテレビなどでJ -POPが流れたりすると、この「ファム・ファタル」という単語が聞こえてくることがあります。 具体的に最近はどんなJ-POPの歌詞に使われているのかなーと調べたところ、社会現象にもなったTVアニメ『推しの子』第2期OP主題歌が『ファタール』だそうで。ただもう2024年7月の話であり、もう1年も前のことなんですね。... -
岩波書店のマークに採用されている絵画はミレー作『種蒔く人』!この絵画の魅力は何か?「農民画家」の異名を持つ作者が描き出す産業革命時の第一次産業の厳しさと気高さ
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はジャン=フランソワ・ミレー(1814−75、フランス)作『種蒔く人』(1850)という絵画について紹介していきます! 今回『種蒔く人』を選んだきっかけとしましては、最近読んだ本の出版社が岩波書店さんのものだったのですが、その岩波書店さんが社のマークとして採用している絵画こそが『種蒔く人』だったからです。(実際に読んだ本↓) 以前から『種蒔く人』が用いられていたことは知っていましたが、今回手に取ったという縁もありましたので取り上げてみようと思った... -
石川県立美術館に行ってきました!兼六園のついでのはずが、展示品の面白さについつい見惚れる!陶磁、そして妖怪浮世絵「魑魅魍魎」レポ
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回も、前回の鎌倉旅行に引き続き、旅先で訪れたアートにまつわる施設についてのレポをしていきます! その施設とは、石川県立美術館!3月19日、つい4日前に行ってきました。 今回の旅の主な目的は兼六園だったのですが、その兼六園の入場券を購入する際に、兼六園の入場料320円にプラス180円で6つの文化施設の中から好きな施設1箇所の利用券も付いてくるとのことで、迷わず美術館を選びました😆 他にも魅力的な施設がありましたが、旅の時間との兼ね合いもあり断念。。 ... -
鎌倉で見つけた絵画専門店!豊富な品揃え、明るい店内で、絵画好きはつい長居してしまうこと間違いなし!鎌倉、小町通り沿いにある『アート横澤画材』さんレポ
こんにちは!皿(sara)です☺️ 前回の投稿から随分日が経ってしまいました😓 言い訳がましくなってしまうことは承知の上ですが、仕事、私生活両面で忙しくさせていただき、なかなか画面の前に座る時間を確保することが難しい日が続きました。具体的には、つい最近彼女ができました。10年振り、人生2度目の彼女です。浮かれるのも多めに見てください😅まあ、それでももっと真剣に時間管理し、時間を捻出すれば、短い記事でも投稿を継続していくことは可能なので、甘えたことばかり言ってないでもっとちゃんと記事...