こんにちは!皿(sara)です☺️
今回も、前回の鎌倉旅行に引き続き、旅先で訪れたアートにまつわる施設についてのレポをしていきます!
その施設とは、石川県立美術館!3月19日、つい4日前に行ってきました。
今回の旅の主な目的は兼六園だったのですが、その兼六園の入場券を購入する際に、兼六園の入場料320円にプラス180円で6つの文化施設の中から好きな施設1箇所の利用券も付いてくるとのことで、迷わず美術館を選びました😆
他にも魅力的な施設がありましたが、旅の時間との兼ね合いもあり断念。。
その代わり、時間をかけて美術館内を散策することができ、学びや気付きを得ることができましたので、その紹介をしていきます!
施設の場所
石川旅行の一番の目的は、人によるでしょうがやっぱり代表的なのは兼六園ではないでしょうか。石川県立美術館は兼六園の敷地から道路を挟んだすぐ隣にありますので、”ついで”に寄りやすい点は大きなメリットですね。
少し話が逸れますが。「日本らしい風景がとても綺麗な場所」という知識だけで兼六園を目的地に選びましたが、そもそも何の土地なのかと、私同様よくご存じでない方もいらっしゃるかと思います。石川県公式サイトにて説明されていますので、少し引用して紹介しておきます。
加賀百万石の文化を映す、歴史的文化遺産
水戸偕楽園(かいらくえん)、岡山後楽園(こうらくえん)とならぶ日本三名園の一つ、兼六園。兼六園は江戸時代の代表的な大名庭園として、加賀歴代藩主により、長い歳月をかけて形づくられてきました。金沢市の中心部に位置し、四季折々の美しさを楽しめる庭園として、多くの県民や世界各国の観光客に親しまれています。
広大な土地に、池、築山、御亭を配置した、廻遊式の庭園
兼六園は、「廻遊式」の要素を取り入れながら、様々な時代の庭園手法をも駆使して総合的につくられた庭です。廻遊式とは、寺の方丈や御殿の書院から見て楽しむ座観式の庭園ではなく、土地の広さを最大に活かして、庭のなかに大きな池を穿ち、築山(つきやま)を築き、御亭(おちん)や茶屋を点在させ、それらに立ち寄りながら全体を遊覧できる庭園です。
歴代藩主が抱いた繁栄の願いを投影
何代もの加賀藩主により、長い年月をかけて形づくられてきた兼六園ですが、作庭における基本的な思想は一貫していたようです。その思想とは神仙思想。大きな池を穿って大海に見立て、そのなかに不老不死の神仙人が住むと言われる島を配します。
引用:兼六園とは|兼六園
「回遊式」とあるように、ただ見るだけではなく歩きまわって楽しむことができるのができ、景色をさまざまな角度から楽しむことができるのが魅力でした。私が訪れた日はあいにくの雨でしたが、雨音が聞こえたことでさらに趣が増したような情緒を感じることができ、むしろ雨で良かったとすら思っております。
さて本題に戻ります。兼六園のすぐ南西の位置に、石川県立美術館はあります。
恐らく多くの方が兼六園をお目当てに金沢を訪れると思いますので、そのすぐ傍にあるというアクセスの良さも良いですね。
施設で展示されている作品
展示作品については、絵画、彫刻、染め織物などがあり、石川県をはじめ北陸出身の方の美術作品が主だった印象です。
陶磁
絵画とは少し違うかもしれませんが、陶磁と言われる、お皿に絵が描かれた作品が展示されていました。何とこの陶磁に描かれ得ている絵、キリスト教崇拝のためのものなのだそうです。
例えば下の写真で言えば、緑の皿の青の模様は聖母マリアが着用する青いマントから来ているとされ、また鳳凰が描かれた皿は鳳凰が交差している脚は十字架を表しており、坊主の男(布袋というそうです)が描かれた皿の植物は薬草であり”救済”を意味しているそうです。
宗教と美術とは切っても切れない繋がりがあります。日本では過去、他国から持ち込まれたキリスト教の浸透によって他国の日本への政治への介入を危惧した政府がキリスト教排斥運動を徹底して行いましたが、まさか大衆の間では一見キリスト教とは無縁そうな絵に宗教的意味を潜ませ、信仰心を保っていたとは。目から鱗でした。
せいぜい学校で習った踏み絵くらいの知識したありませんでしたので、このような工夫がされていたという歴史を知ることができただけでも大きな学びでした。
絵画
そして、待ってました絵画の展示!今回特に印象深かったのは妖怪の絵がたくさん飾ってあったこと。浮世絵のうち、「魑魅魍魎」を扱っているのものだそうです。展示作品はなんとあの歌川国芳、そしてその弟子の月岡芳年のものが多数!
当然のこととは思いますが、妖怪とは想像上のもの。それをまるで本当に見たかのように個々の特徴を捉えて生き生きと描き上げていることに感動しました。
ちなみに陶磁と妖怪の絵は、同じ展示室内に飾られていました。
他にも北陸を代表する近代画家の作品の展示コーナーがありましたが撮影NGでした。1枚だけマリー・ローランサンの絵画が飾ってあったり、(誰だったか忘れてしまいましたが)著名な西洋画家に師事した日本人画家の絵も飾ってあったりして、勉強の浅い私でも親しみのある絵画が何枚かありました。今回1枚1枚をじっくり時間をかけて鑑賞するという楽しみ方ができなかったのは、作品に対して申し訳なかったと思っております😓
(施設には他にも多くの展示物がありましたが、割愛させていただきます🎋)
今回楽しむことができた絵画は、隠れキリシタンにせよ、妖怪にせよ、少し変わった角度の美術品だったのではないかと思います。
美術はそれ自体の美しさを楽しむことができることに加え、それが作成された時勢、歴史なども併せて学ぶことができ、そこから新たな知識への理解を深めることができることも、美術に触れる魅力ですね。
今回の旅のイチオシ
さて、駆け足で石川県立美術館の紹介をしてきましたが最後に。今回の旅のアートにまつわるイチオシを発表したいと思います。
私が選ぶ、今回の金沢旅行で出会ったイチオシ美術作品は、月岡芳年作『武田勝千代月夜に老狸を撃の図』です!↓
武田勝千代とは武田玄の幼名。ある日、庭に置かれた木馬が突然勝千代に話しかけてくる。勝千代が斬り払うと、その正体は狸であった。刀を手に振りかざす勝千代やよろめく木馬など、躍動感あふれる一作。読本『絵本甲越軍記』などに典拠がある。
画面全面いっぱいに配置された木馬と、その下に配置された武田勝千代(武田信玄)がその木馬を刀で切り裂き、化かしていた狸が右下に力尽きる様子、その全ての躍動感と収まりの良さ、淡くも鮮明な色使いなどがとても印象に残りました。
他にも個性豊かな妖怪をおどろおどろしくもどこかキャッチーに描写した絵はたくさん印象に残っていますし、陶磁の方も皿と絵画の融合で3次元的な楽しみ方でき、描かれている絵の宗教的意味の読み解きが深淵なものであり、とても勉強になりました。
正直、兼六園の”ついで”での訪問ではありましたが、良い意味で期待を裏切られ、総じて楽しく、実りある良い時間を過ごすことができました!
おわりに
実は、今回の旅では元々、兼六園から近いこともあり「21世紀美術館」を訪問する候補に挙げていました。
しかし急遽行くことになった石川県立美術館で思いのほか長居しすぎてしまい、予定変更、21世紀美術館はキャンセルしてしまいました。
21世紀美術館の方は調べた限りでは、体験型美術館といった色が強く、正直個人的には体験したとして「ほーん」という感想で終わってしまいそうなので、今回石川県立美術館に行くことができたのは結果オーライで良かったと思っております。
ただ、美術ブログを描いている身としては、21世紀美術館のような現代アートも食わず嫌いしている場合じゃないとは思っておりますので、いずれはまず近場からでもそうした施設にお邪魔し、またレポを書けたらと思っております。
それでは、この辺で。ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!金沢楽しかったです!