19世紀末、フランス・パリで誕生した芸術家グループ「ナビ派(Les Nabis)」は、印象派や写実主義とも異なる、装飾性と象徴性に満ちた作品を生み出しました。 彼らは単なる絵画運動ではなく、芸術を生活の中に取り込み、絵画・版画・壁画・家具装飾などあらゆる分野にアプローチした点でも特異な存在です。 「ナビ(Nabi)」とはヘブライ語で「預言者」を意味し、自らを“新しい芸術の預言者”と称しました。 その姿勢からもわかるように、彼らは既存のアカデミックな美術教育や自然主義的表現にとらわれず、独自の...