絵画– category –
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壮大な人間の夢と崩壊の象徴──ブリューゲル《バベルの塔》が問いかける普遍的な哲学的テーマにあなたが出す答えは何?
ピーテル・ブリューゲル(父)(1525? −1569、オランダ、ベルギー)が描いた《バベルの塔》は、宗教画や風景画の枠を超え、私たち現代人に深い問いを投げかける壮大な作品です。旧約聖書に登場する「バベルの塔」の物語を題材にしながらも、そこには単なる聖書の教訓を超えた、驚くほど人間的なドラマが込められています。 今回は、ブリューゲルの代表作である《バベルの塔》がいかほどまでに特別なのかを、他の作品との比較を交えながらご紹介します。さらに、思わず「部屋に飾りたくなるほどのお気に入... -
芸術の革命児、マネの《草上の昼食》とは?~絵画史のミスタースキャンダルによって放たれた衝撃の一作~
近代絵画を語るうえで避けて通れない存在、それがエドゥアール・マネ(1832〜1883年、フランス)の《草上の昼食(Le Déjeuner sur l’herbe)》(1863年)です。 緑豊かな自然の中、ピクニックを楽しむ男女たちの姿。しかしこの作品、19世紀当時の社会にとっては“スキャンダル”そのものでした。 今回は、この《草上の昼食》が美術史においてどのような意味を持つのか、他の画家や作品との比較、そして本作の持つ深い魅力を詳しく解説します。アートに興味のある方、インテリアへの採用を考えている方等... -
我々は何者か――ゴーギャンと絵画が問いかける人間の本質
「我々は何者か?」 この問いは、ただの哲学的な抽象ではありません。私たちが日々の生活の中で、ふと立ち止まったとき、静かに心の奥底から湧き上がるものです。そして、この問いを鮮烈な色彩と象徴で描き切った画家がいます。 それがポール・ゴーギャン――彼の代表作『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』(以下、『我々は何者か』)(1897年)です。 タヒチで描かれた“遺書”のような傑作 ゴーギャンは西洋文明に失望し、文明の影響がない南国タヒチへ渡ります。自然と共に生きる先住民... -
岩波書店のマークに採用されている絵画はミレー作『種蒔く人』!この絵画の魅力は何か?「農民画家」の異名を持つ作者が描き出す産業革命時の第一次産業の厳しさと気高さ
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はジャン=フランソワ・ミレー(1814−75、フランス)作『種蒔く人』(1850)という絵画について紹介していきます! 今回『種蒔く人』を選んだきっかけとしましては、最近読んだ本の出版社が岩波書店さんのものだったのですが、その岩波書店さんが社のマークとして採用している絵画こそが『種蒔く人』だったからです。(実際に読んだ本↓) 以前から『種蒔く人』が用いられていたことは知っていましたが、今回手に取ったという縁もありましたので取り上げてみようと思った... -
健康的なエロス!華やかな色彩で描かれた美しく柔らかな女神はあの巨匠にも生涯愛された!ブーシェ『水浴のディアナ』
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はフランソワ・ブーシェ(1703−1770、フランス)作『水浴のディアナ』(1742)を紹介します! 初見の印象はいかがでしたでしょうか。私も初めて見たのは、私の愛読書でもあります井内舞子さん著『教養として知っておきたい名画BEST100』という本の中で紹介されていた1枚だったのですが、その時の衝撃たるや、びっくりしたのを今でも覚えています。 私の感想を赤裸々に言ってしまえば、「え、えっろ!!?」です。こんな色白で若々しく健康的な二人の少女の裸体が... -
”ルネサンスの父””イタリア絵画の父”ジョット!絵画の歴史的転換点を担う画家の代表作『ユダの接吻』は700年経った今なお色褪せない傑作!
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はジョット・ディ・ボンドーネ(1267頃ー1337)作『ユダの接吻』(1304−1306)という絵画について紹介します! 『ユダの接吻』は700年以上も前にイタリアの礼拝堂に描かれた壁画ですが、今でもジョットの他の絵画と共に残されていますので、行こうと思えば実物を鑑賞しに行くことも可能です。何百年も前のものを作者と同じ位置から眺めることができるというのは感慨深く、それも絵画鑑賞の良さですよね。 さて、今回取り上げる『ユダの接吻』ですが、なぜ投稿... -
純粋な愛などあり得ない!?愛と同時に生まれる幸福、猜疑心、偽り…感じ方は人それぞれ!ブロンズィーノ『愛のアレゴリー』にあなたは何を思う?
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回は、アーニョロ・ブロンズィーノ作『愛のアレゴリー』(1540〜1545年頃)という絵画を紹介していきます! アレゴリーは翻訳すると「寓意」となります。 ある意味を、直接には表さず、別の物事に託して表すこと。また、その意味。「寓意を含んだ絵」 参考:寓意(グウイ)とは?意味や使い方 - コトバンク 平たく言えば”謎解き”のようなことを指すのですね。鑑賞者に絵画を詳細に観察させ「この部分はこんな意味だろう」「この部分はこんなことを表しているのだろう」など... -
目があった瞬間の「ドキッ」を表現!日常風景の幸福、温かさを描かせたら右に出る者なし、フェルメール『真珠の耳飾りの少女(ターバンの娘)』
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はヨハネス・フェルメール(1632−75、オランダ)作『真珠の耳飾りの少女(ターバンの娘)』(1665頃)を紹介していきます! 描かれているのは、振り向いた格好の少女だけ。しかも背景は真っ黒で、少女以外には何もありません。少女ただ一人にスポットライトが当たったような絵から、あなたは初見で何を思うでしょうか? 描かれた時代背景、フェルメールらしさ、他絵画との比較などから『真珠の耳飾りの少女(ターバンの娘)』の魅力を一緒に探っていきましょう! シンプ... -
史上初、”スピード”を絵画に描いた作品!ターナー作『雨、蒸気、スピード-グレートウェスタン鉄道』の魅力に迫る
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回はウィリアム・ターナー作『雨、蒸気、スピード-グレートウェスタン鉄道』という絵画を紹介していきます。タイトルにもあるように、この作品は初めて”スピード”を絵画にしたと言われています。 画面中央奥から右手前の方向に迫る蒸気機関車が主役ではありますが、その機関車が画面を占める割合はせいぜい2〜3%といったところでしょうか。空が半分近くを占め、遠方には山が連なり、鉄道の橋の下には川が流れています。左斜め方向に降る雨も描き込まれています。機関車が主役とい... -
金色に包まれる男女の姿にあなたは何を感じる?世界的名画、クリムト「接吻」を楽しむ!
こんにちは!皿(sara)です☺️ 今回は世界的名著と言っても過言ではない、グスタフ・クリムト作「接吻」という絵画について紹介していきます。 私がこの絵画と初めて出会ったのは大学の美術の講義でした。確か、一般教養の美術を学ぶ講義だったかと思います。今にして思えばもっと興味持ってちゃんとやっていれば良かったなとつくづく思うわけですが、まあ、学校の授業なんてそんなもんですよね(笑)。他にもたくさんの画家や絵画を勉強したはずですが、9割5分忘れていると思います(そんな中でもモネの「睡蓮」...
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